2006年07月07日

「涙腺の下腹部」第二章・4隠者のペニス

ぴかぴか(新しい)第二章4・隠者のペニスぴかぴか(新しい)



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 ベートーベンの第九が真夜中に轟き脅威をあげる・・・

 私は心地よい睡眠を取り上げられた不機嫌さと、起きたての虚ろな思考で音楽の震源地をたどる・・・

ベートーベンは夫の寝室から雄々しく鳴り響いていた。
私は戦士の勢いを持って夫の寝室に侵入し、ベートーベンのボリュームを人類が安眠できるレベルまで絞った。

 音の大魔神からようやく逃れた後、私の思考は正常に働き始めた。

 夫がいない・・・

私は月明かりを頼りに夫の姿を探した・・・
部屋の隅に、白い艶かしい月明かりを感じる・・・

全裸で膝を抱え、うずくまる夫の肢体に月明かりが張り付いているのを見つけた。
その姿は滑稽でありながら狂気めいていた。

 「苦しいんだ・・・お前と一緒にいる事が・・・」
夫は私の眼を見ることなくそう言った。

「じゃぁ・・・別れるよ・・・」
私は透明な微笑を冷徹に浮かべた。

「苦しいんだ・・・お前と一緒に居れなくなる事も・・・」
夫の声は死んでいた。

私は目の前に居る困惑しきった男に戸惑いを覚えた。
「じゃあ・・・どうすれば良いの?」
私の問いに夫は虚ろな瞳を宙にぶらさげた・・・

「抱きしめて・・・」
夫の声は微かに聞こえるベートーベンに溶け込んだ。

一瞬、私の脳裏に速人の体温が蘇った・・・
込み上げる罪悪感を消すために私は聖母の愛を持って優しく夫を抱擁した。

 私の乳房が哀れな隠者の涙で濡れた。
私達は砂の上にそびえる愛の楼閣で、官能に溺れることなく抱擁を共有した。

何時しか夫は泣きつかれて眠ってしまった。

 夫の寝息が私の乳房を愛撫する。
私の乳首が恨めしげに固くなった・・・


 「あなたは何故ペニスを憎んだの?」
ミクロの声で眠っている夫に語りかけた・・・

 聖母になり切れなかった私の下着がしっとりと濡れていくのを感じた。






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posted by ジュエル・ジュジュ at 13:46| Comment(0) | TrackBack(0) | ★「涙腺の下腹部」第二章★ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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