2006年07月05日

「涙腺の下腹部」第二章2・乳首のなみだ




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 「はぁ・・・」

「ただいま」と言う言葉の替りに夫が奏でる音。


 部屋にはまだ速人の匂いが残っていた・・・

「おかえり・・・」
私は唇の端を一生懸命に持ち上げて女神の微笑を創造する。
夫は一瞬チラリと私の目を見た後「あぁ・・・」と力無い母音を吐き捨てた。

 私は無言でディナーの支度をした。
夫は夕刊を手に取り、ダイニングテーブルの椅子に腰掛けた。

カチャカチャ・・・

ガサガサガサ・・・


食器と新聞の音が陰険な舞踏会を開いている。

 私はディナーを夫の元に運びながら、このままサバが生き返って夫の股間にぺタリと乗ってピョンピョンと勢いよく飛び跳ねる想像をした。

 結婚前に夫が何時も言っていた台詞を思い出した・・・

「僕は厳格なカトリックの家で育ったから婚前交渉はしないんだ・・・だから君もそのつもりでいて欲しい・・・」

 くちゃ くちゃ くちゃ・・・
夫が食事を噛みくだす音が辺りを支配する。

ペニスが無いと会話も無いのだろうか?

 私は夫をダイニングルームに置き去りにして熱いシャワーを浴びに行った。

 脱衣室で服を脱ぎ、汚れた洗濯物をプラスティックのカゴに入れた。
私の身から剥がした下着から発情した女の匂いがするかも知れない・・・
そう思うと急に夫への罪悪感が襲ってきた。
 私は汚れた下着をハンドタオルで包んで、洗濯カゴの1番下にこっそりと隠した。

 熱いシャワーを浴びると突然何かが急にいとおしくなった・・・
その「何か」の正体を私は知らなかった。
石鹸を泡立てた手で乳房を洗った・・・

シャワーの音がガサガサと言う新聞の音に代わって聞こえる・・・

 私の立ち上がった乳首がそれを聞いて泣いていた。










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posted by ジュエル・ジュジュ at 07:14| Comment(2) | TrackBack(0) | ★「涙腺の下腹部」第二章★ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ブログお勉強中でぅ♪参考になりますっw
Posted by ぇりすx at 2006年07月06日 11:25
久しぶりに来ました☆更新楽しみにしてますねっ!
Posted by mokoko at 2006年07月06日 20:09
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